ロンドンの街を巡る際、避けては通れないのが公共交通機関(Transport for London, TfL)の利用です。地下鉄(Tube)、バス、エリザベスライン、DLRなど、ロンドンの移動手段は多岐にわたりますが、その「支払い方法」は年々変化しています。
かつては「ロンドン観光ならオイスターカード(Oyster Card)が必須」と言われていましたが、2026年現在、その常識は大きく変わりつつあります。本記事では、最新の運賃制度や支払いルールに基づき、クレジットカード(コンタクトレス決済)とオイスターカードのどちらを選ぶべきか、徹底的に比較・解説します。
ロンドン公共交通機関の「3つの支払い方法」
ロンドンの地下鉄やバスでは、現在**「現金」で切符を買うことはほぼありません。** ほとんどの利用者が以下の3つのいずれかを利用しています。
① コンタクトレス決済(クレジットカード・デビットカード)
お手持ちのクレジットカードやデビットカードをそのまま改札機にタッチして乗車する方法です。日本でも普及している「タッチ決済」と同じ仕組みです。
② モバイル決済(Apple Pay / Google Pay / Samsung Pay)
スマートフォンやスマートウォッチに登録したクレジットカード等を利用する方法です。
③ オイスターカード(Oyster Card)
ロンドン版の「Suica」や「ICOCA」のような交通系ICカードです。事前にチャージ(Top-up)して使用します。
【2026年最新】オイスターカード vs クレジットカード比較表
どちらを利用すべきか判断するために、主要な項目を比較表にまとめました。
| 比較項目 | コンタクトレス決済 (Amex/Visa等) | オイスターカード (Oyster Card) |
| 初期費用 | 0円 | £7.00(返金不可の発行手数料) |
| チャージの要否 | 不要(後日カード引き落とし) | 必要(残高不足だと改札を通れない) |
| 1日あたりの上限(Capping) | あり(自動適用) | あり(自動適用) |
| 1週間の上限(Capping) | あり(曜日を問わず適用) | あり(月曜〜日曜の固定サイクル) |
| 残高の払い戻し | 不要 | 手続きが必要(残高£10以下なら券売機可) |
| 子供料金の設定 | 不可(大人料金のみ) | 可能(Young Visitor Discount等) |
| 学割・シニア割引 | 不可 | 可能(要事前登録) |
結論:どちらを選ぶべきか?
- 短期旅行者(大人): クレジットカード(コンタクトレス)一択です。発行手数料£7を支払うメリットがほとんどありません。
- 11歳〜15歳の子供連れ: オイスターカードが必要です。駅スタッフに「Young Visitor Discount」を設定してもらうことで、運賃が半額になります。
- 10歳以下の子供: 支払い手段は不要です。大人の同伴があれば無料で乗車できます。
クレジットカード(コンタクトレス)利用のメリットと注意点
2026年現在、ロンドンを訪れる観光客の約8割以上がコンタクトレス決済を利用しています。
メリット:とにかく「楽」で「無駄がない」
最大のメリットは、**「発行手数料£7がかからない」ことと、「チャージ残高を余らせる心配がない」**ことです。オイスターカードの場合、帰国時に残高が残ってしまうと払い戻し手続きが面倒ですが、クレジットカードなら使った分だけが正確に請求されます。
注意点①:海外事務手数料
日本のカードを利用する場合、各カード会社が定める「海外事務手数料(概ね2%前後)」が加算されます。しかし、オイスターカードの発行手数料£7(約1,400円〜1,500円)を考慮すると、数日間の滞在であれば手数料を払ってもコンタクトレス決済の方が安く済みます。
注意点②:ブランドの制限(JCBは不可)
ロンドンの改札機は、Visa、Mastercard、American Express、Diners(一部)には対応していますが、JCBカードには対応していません。 日本から渡航する際は、必ずVisaかMastercard、またはAmexを持参してください。
オイスターカードの現状と「古い情報の罠」
インターネット上の古い記事では「オイスターカードは帰国時にデポジットが返ってくる」と書かれていることがありますが、これは2026年現在は誤りです。
デポジット制度の廃止
2022年9月以降、オイスターカード購入時に支払う£7は「デポジット(預り金)」ではなく**「発行手数料(Non-refundable fee)」**に変更されました。つまり、カードを返却してもこの£7は戻ってきません。
残高の払い戻しルール
カード内のチャージ残高については、以下のルールで払い戻しが可能です。
- 残高£10以下: 地下鉄駅の券売機ですぐに現金またはカードへ払い戻し可能。
- 残高£10以上: オンラインまたは郵送での手続きが必要となり、非常に手間がかかります。
運賃システム「キャップ制(Capping)」の仕組み
ロンドンの運賃は、どれだけ乗っても一定額以上は請求されない「キャップ制」が採用されています。
1日上限(Daily Cap)
Zone 1-2(主要観光エリア)の場合、1日に何度地下鉄やバスに乗っても、£8.90(2026年3月改定運賃)以上は課金されません。これはオイスターカードでもコンタクトレス決済でも同様です。
1週間上限(Weekly Cap)
コンタクトレス決済が非常に有利な理由がこれです。
- コンタクトレス決済: 任意の連続する7日間で計算されます。
- オイスターカード: **「月曜日から日曜日」**の固定期間でしか計算されません。
例えば、木曜日に到着して翌週の水曜日まで滞在する場合、オイスターカードでは「週上限」の恩恵をフルに受けられませんが、コンタクトレス決済なら自動的に最も安い運賃が適用されます。
改札での「赤色ランプ(エラー)」を防ぐコツ
ロンドンの改札機(イエローリーダー)でエラーが出る主な原因は「Card Clash(カードの競合)」です。
- 財布ごとタッチしない: 財布の中に複数のICカード(日本のSuicaや、複数のクレジットカード)が入っていると、機械が混乱してゲートが開きません。
- デバイスの統一: Apple Payを使用する場合、行きはiPhone、帰りはApple Watchという使い分けは厳禁です。システム上「別のカード」とみなされ、上限額の計算が正しく行われず、結果的に高い料金が請求されます。
まとめ:2026年のロンドン移動の最適解
ロンドンでの決済方法は、滞在スタイルによって以下のように選ぶのがベストです。
- 一般の観光客: 日本で普段使っている**コンタクトレス対応のクレジットカード(Visa/Master/Amex)**をそのまま使う。
- JCBしか持っていない人: 現地でオイスターカードを購入するか、渡航前にVisa/Masterカードを新規作成する。
- お子様連れ: 子供の分だけ駅の窓口や券売機付近のスタッフを通じて**オイスターカード(割引設定済み)**を作成する。
ロンドンの交通費は世界的に見ても高額ですが、この「キャップ制」と「正しい決済手段」を理解しておけば、最小限のコストで効率よく観光を楽しむことができます。
2026年の海外旅行を支えるカード「最強の組み合わせ」
渡航先がどこであれ、2026年現在の海外決済の最適解は「Visaをメイン、JCBをサブ」にすることです。
| 項目 | Visa(エポスカード) | JCB(JCB CARD W) |
|---|---|---|
| 主な役割 | タッチ決済・交通機関・世界中どこでも | アジア圏の優待・日本語サポート |
| 強み | 世界シェア1位の圧倒的決済力 | 特定店舗でのキャッシュバック |
迷っている方は、まずは世界標準のVisaブランドであり、かつ年会費無料で海外保険が充実している「エポスカード」をメインカードとして準備することをおすすめします。


コメント